こんにちは、サラリーマントレーダー・しゅんすけです。
みなさんは投資の格言の中に「尻尾と頭はくれてやれ」という言葉があるのはご存じでしょうか?
これは、「欲をかき過ぎず手堅くトレードしましょう」という意味が込められていますが、チャートで具体的に表していくと、結構理にかなった格言だなあと気づくことができます。
というわけで、今回の記事では、「尻尾と頭はくれてやれ」という格言について、「じゃあどんなトレードが尻尾と頭をくれてやったトレードなの?」ってことを解説していこうと思います。
目次
FXで「尻尾と頭はくれてやれ」とはどういうことか?

「尻尾と頭はくれてやれ」という言葉の意味ですが、投資家の心理として「最安値で買い、最高値で売りたい」と考えるものですが、実際にはドンピシャで底値や天井を予想することはほんど不可能だし失敗しやすいので、底値を見せた少し後で買い、天井まで狙わず無難な位置で売りましょうという考えです。
つまり、欲をかき過ぎるなということです。
このように説明したら、投資に詳しくなくても「まあ、何となくそうなんだろうなあ」と思えそうですが、実際にチャートで当てはめて、戦略も絡めて考えると「結構、本質迫った格言だなあ」分かります。
では、実際のチャートで「尻尾と頭をくれてやったトレード」を見てみましょう。
「尻尾と頭をくれてやった」トレードの例

実際に私がトレードした具体例ではないですがチャートを眺めてみると、いたるところに「尻尾と頭をくれてやれそうなトレード」が探せます。
理想では…

例えば、上のようなチャートがあったとしたら、「124.391」円で買って「139.999」円で売ることができたら、めっちゃ理想ですよね。
売買差益は、15.5円分くらいになるので、大きな流れに乗れたトレードということで大成功と言えます。
でも、こんなピンポイントで狙うことはまず不可能ですよね。
なので「尻尾と頭をくれてやる」ために、 「124.391」円より少し高い値で買って、 「139.999」円より少し安い値で売ることができれば、十分合格点ですよという考え方になります。
尻尾と頭をくれてやったトレード

さきほどと同じチャートです。
では、尻尾と頭をくれてやったトレードとはいったいどういうトレードなのでしょう?
例えば、上のチャートの通り、「はらみ足」の出現をエントリーと決済の基準としてした場合、およそ「126」円付近で買って、「136」円付近で売るというトレードになります。
10円分の差益を得ることができるので、十分成功したトレードと言えると思います。
しかし、前述した理想トレードと比較するとどうでしょうか。
15.5ー10=5.5円、つまり5.5円分も損してような気がします。
でも、あくまでも理想トレードなんて未来を補足しないと不可能なので、「気にするな」ということが重要になります。
上のチャートで言うと、「胴体」部分のトレードが成功したら、頭の部分と尻尾の部分の損した(ような)部分は気にするなということです。
これが、「 尻尾と頭はくれてやれ 」という考え方になります。
はらみ足は、「1本目のローソク足の高値と安値に2本目の高値と安値が収まっている状態」または「2本目のローソク足の終値を1本目のローソク足の終値が肥えている状態」をいいます。トレンドの転換を予測するためのシグナルとして使われるメジャーな指標のひとつです。
尻尾と頭をくれてやるために重要なこと

「尻尾と頭をくれてやる」という意味やトレードが分かった後は、今度はどうやって自分で「尻尾と頭をくれてやる」トレードを常態的に実践していくかです。
難しいように思えるかもしれませんが、実はそんなに難しくありません。
とにかく重要なことは、至極一般的なことで「自分で決めたエントリー・決済ルールを確立する」ということと「愚直にルールを守ってトレードをする」という2点です。
エントリー・決済ルールの確立の仕方
FXでは、「エントリーパターン」と「決済パターン」をルールとして決めることができれば自分の手法がほぼ完成といえます。
結局、損益を決めるのは「エントリーと決済」のタイミングの良し悪しですからね。
FXにおける勝率は「こうなったら上がる(または下がる)」という再現性の高いパターンを見つけることができるかどうかで決まります。
とはいえ、こうなったら100%予測できるというようなパターンは存在しませんので、その精度が50%を超えることができれば理論上利益が損失を上回ってくると言えるでしょう。
そして、効率的に利益を上げるためには「ここまで上がったら(下がったら)決済しよう」という無駄のない決済パターンも併せて必要になります。
では、エントリーパターンと決済パターンはどのように確立していけばいいか…こればかりは、自分で確立していくしかありません。
なので、試行錯誤していろんな取引をやってみて経験を積んで、徐々に自分の型を作っていきましょう。
とはいえ、すでにトレンドの転換を見極める有名なパターンがいくつか存在しますので、ご紹介します。
- ヘッド・アンド・ショルダー(三尊・逆三尊)
- ダブルトップまたはボトム
- トリプルトップまたはボトム
- 三角保ち合い
- ボックス型
- ペナント型
- フラッグ型
- ウェッジ型
- チャネルライン
- 高値・安値
これらの基本パターンを勉強して、これを元にトレードを実践してみて、データを取って、改良する、これを繰り返すことで自分の型を確立していきましょう。
ちなみに手法の組み立て方は下記の記事でご紹介しておりますので、こちらもよろしければご参照ください。
ルールを守ってトレードすること…とにかく「待つ」のが重要
尻尾と頭を取らせてトレードするということは、つまり余裕を持ってトレードをするということになります。
「相場が反転したかも?」と思ってすぐに飛びつくのではなく、確実に反転したと自信を持って判断できるポイントまで「待って」エントリーすることによって、ピンポイントで反転したポイントから遅れてエントリーすることになりますが、成功確率は上がります。(これが尻尾をくれてやるということ)
同じように、「まだまだ利益が伸びるかも?」と根拠がない欲をかいて利益を削るのではなく、トレンドが変転したと判断できるポイントまで「待って」きっぱり決済することで、最も利益が乗るピンポイントより早く決済することになりますが、利益を無駄になくしてしまうリスクは下がります。 (これが頭をくれてやるということ)
このように余裕を持ってトレードするためには、トレードにおけるルール、特に前述したエントリー・決済のルールが必要になります。
ルールがあれば、そのルールに当てはまるパターンをチャートが示してくれるまでただ待てばいいので、慌てることがなくなります。
(もちろん、ルールを無視することはNGです)
「待つ」ということは、トレードにおいて本当に大事な要素です。
「FXは待つのが仕事」という言葉があるくらいです。
待つことの重要性についてまとめた記事も、よろしければご参照ください。
完璧にポイントを予測したエントリー・決済は不可能だと割り切ろう

自分のトレードをさらに良いものへ改良していこうとする姿勢は非常に素晴らしいことです。
しかし、すでに結果が出ているトレードに対して、大きく変更を加えることはトレード成績を下げてしまうリスクがあることを念頭に置いておきましょう。
究極のトレードを探求したい気持ちは分かりますが、それは不可能と割り切り、今ある素晴らしい結果・事実を素直に評価することも大切です。
ピンポイントで予測することが不可能であることを示す、偉大な先人たちの投資格言を載せておきます。
- 落ちてくるナイフを掴むな
価格が下落している最中(特に急落中)にむやみに買うなという格言です。つまり、いつまで下落が続くか分からないのだから、下落が落ち着いて反転する兆しを見せてから買いましょうということです。
- 「もう」はまだなり、「まだ」はもうなり
「もう」これ以上は相場が上がらないだろう、と思っていたのに、「まだ」上がり続けたり、「まだ」相場は下がらないだろうと思っていたら、どんどん下がってしまったというのはよくあるということです。つまり、完璧な予想は不可能なので、根拠のない感覚や勝手な期待は大抵裏切られるということです。
これらの言葉からも、偉大な投資家たちも完璧な予測がいかに不可能であるかを理解していたということが分かりますね。
以上、投資の格言である「尻尾と頭はくれてやれ」をFXの観点から解説させていただきました。
ぜひ余裕を持ったトレードを目指していきましょう。
質問などありましたら、コメント欄からどうぞ。
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